羽前街道シリーズ壱 川崎宿~宮宿
笹谷街道の川崎宿と奥州街道の宮宿を結ぶ四里二十丁(およそ16km))の道のりに点在する史跡を追いながら、各々にまつわる歴史や昔話をご紹介します。

【おですさま(おだいしさま)】

昔、田んぼの代かきで馬の鼻取りをする者がいなくて皆が困っていると、ひとりの若者が現れて上手に鼻取りをしてくれたので、代をかくことが出来ました。
「有り難い。おかげで田植えが出来る。」
田んぼの作業が無事に進み夕げをその若者にも食べてもらおうと探しましたが若者はいつのまにかいなくなっていました。

「いったいどこの若い衆なんだろう。」
わからないまま、おですさまにお供えをあげにいくと祀ってある白い御本尊がドロで汚れているではありませんか。
「おですさまが若者に姿をかえて代かきを手伝ってくださったに違いない。」
皆が口々にそう言って感謝し、百姓の神様としてたいそう大事に祀ったそうです。
【お観音さま】

お観音さまは、昔から子供の神さまとされ、そばで子供たちが屋根に登ったり、追いかけっこやかくれんぼをして遊ぶ姿がいつもあったそうです。
ある日、子供達が川の浅瀬でお観音さまを投げあって遊んでいるのを通りかかった大人が見つけ「なんてバチ当たりな」と叱り、お観音さまを取り上げ、お堂に戻したところその大人は「障り(病気になること)」があってとうとう寝込んでしまいました。
それから子供と遊ぶのが本当に好きなお観音さまだと言われるようになりました。
【夜泣き地蔵さま】

ぎのぎ(槻木)というところに赤ん坊の夜泣きに困った時お参りする「夜泣き地蔵さま」があります。
田んぼの真ん中にある三角の形をした石ですが、昔から、お参りしてぼた餅やお菓子をお供えすると、不思議とその晩から赤ん坊の夜泣きが止まると言われ今でも時々訪れてお供えする人がいるそうです。
【盗人森(ぬすびと もり)】

境沢(さけざ)手前の水田より脇に50mほど入った小高いところに森がありました。
昔はそこを「盗人(ぬすびと)」たちがねぐらにして、道行く旅人を襲っていたそうです。追いはぎが出ると噂になり、いつしかそこは盗人森(ぬすびともり)と呼ばれるようになりました。
【毒清水(天目清水)】~【お不動さん(黒滝不動尊)】

時は前九年の役(1051〜1062年の合戦のこと)
八幡太郎義家に追われた安倍貞任軍が、四方峠を越えてくる官軍を待ち伏せし、道筋にある清水に毒を放って逃げたといういわれのある清水です。

一方、八幡太郎義家は「峠を越えた所の清水を飲んではならない」との夢枕に立った神さまのお告げがありその言葉通り、清水を飲まないように兵たちに指示したそうです。
毒の難を逃れた義家軍ですが、ふと耳を澄ますと水音が聞こえ、行ってみると滝があって皆、無事に水を飲む事ができました。この事に喜び、神さまに感謝した義家は滝の下に不動明王を安置したということです。






